離婚をするにあたって、以下の事項を夫婦で話し合い、取り決めておかなければなりません。
子どもがいる場合とそうでない場合、離婚の原因によって、取り決め事項は異なります。具体的な内容は当事務所でアドバイスさせて頂きますので、安心してご依頼下さい。
・親権者
・子どもの養育費
・子どもを引き取らない親と子どもの面接交渉
・子どもの氏と戸籍
・慰謝料
・財産分与
未成年の子どもがいる場合、親権者を決めなければなりません。
協議離婚では親権者が決まっていないと、離婚届が受理されません。
親権とは身上監護権と財産管理権の2つを合わせたものです。
・身上監護権とは、子どもの衣食住の世話をし、教育やしつけをする権限のこと。
・財産管理権とは、子どもの財産を管理し、契約などの代理人となる権限のこと。
※親権の取り合いで、妻が身上監護権、夫が財産管理権と分けることもできますが、そのようなケースは非常にまれです。
親権者は父母の話し合いによって決めます。
話がまとまらない場合は家庭裁判所の調停で決めることになります。
子どもが複数の場合はそれぞれに親権者を決めます。
※原則として兄弟姉妹は同一の親権者が望ましいとされています。
未成年の子どもがいる場合、養育費を決めておくことが重要です。
養育費は子どもが生活するために必要な費用のことで、衣食住の費用・教育費・医療費・小遣いなどの娯楽費も含まれます。
養育費の金額に決まりはなく、父母の収入や財産、生活レベルなどに応じて話し合いで決めます。
親権の有無に関係なく、双方が経済力に応じて分担します。
養育費について話し合いがつかない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。
子どもの養育費ということを相手に自覚させ、支払いの滞りを防止するためにも、こども名義の口座に振り込むようにするとよいでしょう。
面接交渉権とは、離婚後子どもと離れて暮らす親が子どもと会ったり、連絡を取る権利のことです。未成年の子どもがいる場合、父母の話し合いで面接交渉権を決めます。
面接交渉権は子どものための権利です。子どもの気持ちや意思を尊重し協力し合うことが大切です。
話がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。
会う頻度・時間・場所・連絡方法などを決めておくこと。
離婚した場合、母親は旧姓に戻りますが、子どもの戸籍と姓は現在のままです。
子どもを自分と同じ姓・同じ戸籍にしたい場合は以下のような手続きをとります。
離婚と聞くと慰謝料をイメージしがちですが、慰謝料は必ずもらえるというものではありません。なぜなら慰謝料というのは、相手(配偶者)の行為によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償金のことを指すからです。
それではどんなときに慰謝料を請求できるのかというと、例えば、配偶者による暴力や浮気などによって、結婚生活が破たんし、離婚せざるをえなくなったような場合に、慰謝料を請求することができます。
離婚をする原因をつくった側が慰謝料を支払う義務を負います。
慰謝料の金額は決まっておらず、両者の話し合いで決めることになります。
慰謝料は、離婚成立から3年を過ぎると請求できなくなります。
「なんとなく性格が合わない」「価値観が違う」というようなことが原因で離婚に至った場合は、慰謝料は請求できません。繰り返しますが、慰謝料は必ずもらえるものではありません。
「慰謝料を請求すること」と「慰謝料を支払ってもらうこと」は違います。
慰謝料の請求は可能でも、支払能力のない相手であれば支払ってもらうことは困難になります。
お金のない人からはとれないのです。
高額な慰謝料で合意することも可能ですが、相手に支払う能力がないと意味がありませんから、相手の支払い能力も
考慮した上で請求することが大切です。
財産分与とは、婚姻中に夫婦が協力して得た財産を夫婦それぞれで分けることをいいます。
財産分与の対象となるものには預貯金・現金・有価証券・不動産・自動車・家財道具などがあります。
年金も対象となります。
慰謝料とは異なり、離婚の原因に関係なく、対象となる財産があれば請求できます。
離婚の原因をつくった側からも請求することができます。
財産分与は離婚成立から2年が経過すると請求できなくなります。
財産分与の対象となる財産は、「婚姻期間中に夫婦が協力して築いた共有財産のすべて」です。
結婚前から所有しているものや結婚前に貯めていた貯金、結婚後に父母などから相続した財産は個人のものであり、財産分与の対象とはなりません。