養育費はまず正しい知識から

2023年03月31日

離婚の取り決めで最優先したい項目は、子どもの養育費です。

養育費に関しては、離婚後も毎月支払ってもらっている女性は2割程度と

いわれており、いまなお支払いに関して課題が山積しています。

 

なぜ養育費はきちんと支払われないのか?

そもそも離婚時に養育費について取り決めをしたのか、また取り決めた

場合に書面として残したか、という点も重要です。

 

養育費を支払う側は

・毎月の振込みが面倒で、つい忘れてしまう

・そもそも取り決めていないから払うつもりはない

・口約束だけの取り決めだから、見逃してもらえるだろう

と甘く考えているケースがあります。

 

受け取る側も

・しばらく元夫から養育費の振込みが途絶えている。このまま諦める

しかないのかな

・簡単な口約束だけで済ませてしまったから、これ以上はもう請求でき

ないのかしら

と、泣き寝入りしてしまったり、簡単に諦めてしまったりするケースも

見受けられます。

 

養育費は、支払う側も、受け取る側もそれぞれが正しい知識をもつこと

が最初の第一歩です。

正しい知識とは、たとえば

・養育費は、離れて暮らす子どもの生活や将来のためであること

・養育費を取り決める金額の目安となる養育費算定表があること

・養育費の不払いを防ぐ効果がある公正証書というものがあること

などです。

 

正しい知識を得たうえで、養育費の不払いという事態が起こらないよう

また不払いが発生した場合にも対処できるよう備えておくことも忘れず

に追加してください。

 

養育費不払いの対策としては

①取り決めたら書面に残す

→あとで紛争にならないように証拠として残すため

②書面作成はプロ(行政書士・弁護士)に依頼する

→不備のない書面を作るため

③金額は毎月無理なく支払える額にすること

→相手に継続して払ってもらうため

この3つを遵守するだけでも、養育費の不払いを防ぐことが期待できます。

 

養育費は、取り決める段階においても、取り決めたあとにおいても、

抑えておくべきポイントが沢山あります。

養育費絡みのトラブルの多くは、そのポイントをおさえていないこと

がきっかけとなっているケースが多々見受けられます。

離婚後に養育費を滞ることなく支払ってもらうことは、子どもの養育の

ためにも、養育する側にとっても、本当に大切なことです。

経験のないことを失敗なくやり通すことは難しいですから、専門家の

手を借りて少しでも負担を軽くしてもらえたらと思います。

Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ

これって離婚するべき?

2023年03月24日

「これって離婚するべき?」といった悩みを抱えて相談にいらっしゃる

場合、今は離婚まで考える必要はないケースと離婚を検討した方がよい

ケースの2つに分かれます。

 

まずは「今は離婚まで考える必要はないケース」について考えます。

夫の日頃の言動に対する悩みは、小さなものから大きなものまで、その

種類は千差万別です。

「多くの女性が同じことで悩んでいますよ」と聞いて、自分の悩みは

よくあることだと安堵する。

他人に夫の不満を話しているうちに、自分に離婚意思があまりないことに

気付く。

こんなふうに、夫に不平不満があって離婚が頭をよぎっても、

“離婚するべき”という回答にならないことの方が多いものです。

 

ただそれでも離婚を何度か考えてしまうほど悩みの種が大きくなっている

ことは事実ですから、「このくらいで離婚を考えてもいいのか」

「離婚したい気持ちが膨らんできたけど、どうしたらいいのか」と

専門家に相談するのは自分を客観視する意味でも大切な作業だと思います。

 

離婚を考え始めたけど、いざ人に話してみると自分にそこまで離婚意思が

ないことに気が付いた、これだけでも大きな収穫です。

このことで日頃の夫の言動を受け流すことが出来たりします。

 

もう一つの「離婚を検討したほうがよいケース」について考えます。

離婚を考える指標の一つとして、夫の存在が原因による体調不良です。

例えば、夫といると動悸がする、夫がいると眠れない、夫のことを考えると

食欲不振になる、といったように日常生活に支障が出てきてしまっている

ようだと、別居ないし離婚を考えなければならない段階にきている可能性が

あります。

ただ一時的な体調不良かもしれませんから、別居にしても一定期間、離婚を

考えるにしても時間をかけて体調を見極めながら進めていく必要があります。

夫の存在が過度なストレスになっているなと感じているときは、我慢しすぎ

ていたり、視野が狭くなっていたりしますから、そんなときは専門家に話を

しに行ってください。

精神的に疲弊しすぎてしまうと正常に物事をとらえられなくなってしまい

ますから、一度立ち止まって、自分の状態を客観視する必要があります。

 

「これって離婚するべき?」という問いは、自問自答しても、正しい答え

を出すのは難しい問題です。悩んだら殻に閉じこもらずに、一歩踏み出して

相談してみてください。

Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ

公正証書の押し問答

2023年03月17日

離婚の際、子どもの養育費や慰謝料、財産分与などの取り決めをした場合

取り決めた内容を“公正証書”に残すことはとても意味のあることです。

公正証書は、金銭の取り決めについて強制執行することができるため、

金銭を受け取る側にとっては大きな安心材料となります。

 

強制執行というのは、約束した金銭(養育費や慰謝料)を相手が支払わ

ない場合に、相手の給料を差し押さえて充当することをいいます。

つまり強制的に支払わせることができます。

もちろん約束した金銭を支払っていれば強制執行されることは絶対に

ありませんし、金銭の支払いが数日遅れただけですぐに強制執行される

なんてこともありません。

あくまで相手が支払いをストップし、金銭を受け取る側が催促しても

応じないような場合に強制執行する権利がある、ということになります。

 

この公正証書については、夫が作成を嫌がることがしばしば起こります。

その理由としては

①妻との取り決めの証拠を残したくない

②妻との取り決めに縛られたくない

③作成するのが面倒だ

④強制執行が怖い

などがあります。

 

①に関しては、養育費や財産分与などの取り決めは、証拠を残しておかない

と意味がありません。そしてその証拠とは、書面によって残すことが望まし

いとされています。

 

②についてですが、このように「縛られたくない。書面にしなくても支払う」

と言っている人ほど要注意です。支払う気があるのならば、どんな書面を作成

しても問題ないはずです。

 

③について、これも体のいい言い訳です。この場合は、「作成は専門家に

お願いします。あなたは内容をチェックして、最後に公証役場に行ってくれ

たら、それで終わりです」と丁寧に説明してあげるといいと思います。

 

④について、強制執行を怖いと思う気持ちは理解できます。

ただ上記のように、きちんと金銭を支払っている人は強制執行されません

から、その点をしっかり説明することが求められます。

また例えば、夫が金銭を支払うことが出来なくなる事情(会社を解雇された

など)がある場合は、その事情を斟酌することも伝えてあげるとよいかと

思います。

 

公正証書は夫婦の合意のもとに作成するものです。

養育費は子どもの将来のため、慰謝料や財産分与は妻の離婚後の生活のため

のものです。夫婦にとってとても大切な取り決めです。

夫しては、書面を作成することで妻への配慮や誠意を示すことになります。

妻としては、書面に残すことで安心して暮らすことができますし、夫への

感謝の気持ちも芽生えます。

お互いが納得して次へ踏み出せるよう、離婚の最終段階として“公正証書”

を使ってもらえたらと思います。

Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ

家事育児、女性の負担は減らず

2023年03月08日

3月7日付秋田魁新報の記事に、秋田県の男女の労働や生活の調査結果が

掲載されていました。

それによると

共働きの妻が家事育児に費やす時間は、1日平均4時間12分に対し

夫は52分でした。

仕事に費やす時間は、妻が5時間5分に対し、夫は7時間17分でした。

この調査から、家事育児の負担が妻に大きく偏っていることが分かります。

 

夫の方が仕事をしている時間が長いことも、妻に家事負担が偏る理由の1つ

だとは思いますが、妻が夫の5倍もの時間を家事育児に費やしていることは

世間が目指している“父親も育児に積極的に参加しよう”“妻の家事育児負担を

減らして、働きやすくしよう”といった理想的な家庭環境へと改善が進んで

いないことの証明でもあります。

 

私はこれまで沢山の既婚女性と面談をしてきましたが、ほぼ全員といって

差し支えないほど、妻の方が夫より家事育児の負担ははるかに大きい、と

いうのが現実です。

無論ご家庭によっては、夫が家事育児に積極的に取り組んでいるケースも

ありますが、それでも負担割合としては妻には到底及ばないようです。

 

共働きがスタンダードになってきていますから、これまでの家事育児の配分

を見直していかないと、妻だけが疲弊してしまいます。

家事育児の負担について、夫婦で話し合えれば理想的ですが、話し合っても

すぐ喧嘩になってまったり、約束した通りに家事育児ができなかったりと

そうそううまくはいきません。

夫婦で根気強く努力することはもちろん大事ですが、社会全体の問題として

皆それぞれが「妻=家事育児」というこれまでの意識を変えていくよう、

問題提起し続けていく必要があります。

Category:その他, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ

“離婚セミナー”3月開催のおしらせ

2023年03月03日

3月開催の“女性のための離婚セミナー”についてのお知らせです。

本日発行の『marimari』に3月開催の“女性のための離婚セミナー”に

ついて掲載しております。

※マリマリニュースの欄(8ページ参照)に掲載しております。

 

このセミナーは

〇離婚をする気はないけれど、離婚の知識はつけておきたい

〇離婚を考えているが、何から始めたらいいのか分からない

〇友人や家族が離婚するので、いろいろ話を聞いてみたい

などといった、さまざまな理由でこれまで多くのお客様にご参加頂いて

おります。

 

ゆっくりとしたペースで進行しますので、離婚の知識がゼロの方でも

安心してご参加頂けます。

 

また「他の人とは顔を会わせたくない」「一人で受講したい」といった

ご要望にもお応えしております。

お申込みの際にその旨をお伝えください。※追加料金はかかりません。

 

またセミナー特典としまして、セミナーの参加者には

面談1時間分(通常3,000円)が無料となっております。

この機会にぜひご利用ください。

 

以下がセミナーの詳細となります。

~女性のための離婚セミナー~

■日時:3/8(水)・9(木)・14(火)・16(木)

各日ともに10時開始、所要時間は1時間~1時間半程度。

※お好きな日をお選びになってご参加ください。

■場所:秋田市広面字土手下94 フランスビル2階

■参加費:1,500円(税込)

■お申込み:☎018-853-8770までお電話ください。

※ホームページのお問い合わせフォームからでもお申込み

頂けます。

※お問い合わせフォームがうまくご利用になれないときは

メール(info@unoki-gyosei.jp)でお問い合わせください。

 

【ホームページよりお申込み頂く場合、以下の点にご注意ください!】

お問い合わせフォームからお申込み頂いた場合、当事務所より自動返信

メールが届きます。迷惑メールブロックをされている方はご注意ください。

返信メールをお送りできない場合は、お電話を差し上げることがございます

ので、お申込みの際にお電話番号も入力して頂けると助かります。

 

セミナーではコロナ対策のため、密集しないよう心掛けておりますので

ご安心ください。マスク着用のうえ、ご参加ください。

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