2022年12月21日
子どもの法律上の父親を決める「嫡出推定」を見直す改正民法が、今月10
日に成立しました。
※改正前(現行)の嫡出推定について———————————————–
女性が婚姻中に妊娠した子どもを夫の子と推定する規定のこと。
離婚から300日以内に生まれた子どもは婚姻中に妊娠したとされるため
生物学的に関係のない男性が法律上の父親と扱われてしまうことがある。
この嫡出推定による親子関係を覆すには「嫡出否認」が裁判所で認められ
なければならない。この嫡出否認を申し立てる権利は夫にだけ認められて
いる。————————————————————————————-
明治31年から続くこの「嫡出推定」の制度は、離婚から300日以内に
生まれた子どもを前の夫の子とする、という規定となっていました。
様々な事情により、これを避けたい母親が出生届を出さず、子どもが無戸籍
となってしまうケースが以前から問題視されており、今回見直しがかかりま
した。
改正民法では、再婚している場合は、離婚から300日以内に生まれた子ど
もであっても、「今の夫の子」と推定することになりました。(妊娠時期は
問わない)
このことにより、「前の夫」と「今の夫」で法律上、重複する可能性がなく
なり、“女性にかぎって離婚から100日間再婚を禁止する”という規定も廃止
されることになります。
改正民法は公布から1年6か月以内に施行され、それ以降に生まれた子ども
に適用されます。
また「嫡出推定」による父親と子どもとの関係を解消するための「嫡出否認」
の手続きについて、現在は父親だけに認められている申立ての権利を、子ども
と母親にも拡大することも盛り込まれました。
さらにこの「嫡出否認」の申立期間は、子どもの出生を知ったときから1年
以内という現行法から原則3年に延長されます。
この嫡出推定の見直しは明治31年以来初めてのことですから、この改正
内容については抑えておきたいところです。
※12月11日付秋田魁新報を参照しております。
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