2022年11月08日
20~30代の夫婦のなかには、離婚の際の夫婦の取り決め(特に養育費)
をSNS(主にLINE)で行っている方がいます。
確かにSNSは便利で、相手がメッセージを既読したかどうかが瞬時に分かる
ため、揉め事のない夫婦であれば現実そう大きなトラブルには発展しない
かもしれません。
しかし、SNSでの取り決めは非常に脆い点があることを忘れてはいけません。
相手がSNSのやり取りを削除したり、自分のデータが消失してしまった場合
の補償はありません。
本名ではなく架空の名前やニックネームでのやり取りだった場合には
そもそも本人かどうかを証明すること自体、できるかどうかさえ怪しくなって
きます。
またSNSという身近なツールだからこそ、気軽に出来もしない約束を交わして
しまうという側面もあります。
SNSで取り決めたことを、あとになっていざ書面に残そうとしたら、相手が
拒否してきたということは普通に起こり得ます。
そのときになって、「最初から取り決めは書面に残しておけばよかった」と
なっても後の祭りです。
相手が「SNSでのやり取りでよし」と思っている場合、書面作成はハードルが
高く感じてしまい、応じてくれない可能性があります。
離婚の取り決めを行うには、交渉の流れを読んだり、話を切り出すタイミン
グを計ったりしながら進めていきます。
そのため、SNSに頼り切ってしまい、相手の声色を聞いたり、顔色を見たり
することなく進めてしまうと、相手の本心が分からないまま、取り決めだけ
進行してしまいます。
その結果、「養育費は5万円で合意していたのに、今になって3万円にして
ほしいと言われた」「SNSでやり取りしている間は養育費を払ってくれて
いたのに、相手が突然SNSをやめてしまってからは連絡もつかない」
といったことが起こります。
手軽に交わした約束は、破るのも簡単です。
こういった不測の事態に備えるためにも、離婚の取り決めは書面に残して
おく必要があります。
公的な書類であればなおさらその取り決めの効力は強大なものになります。
きちんとした取り決めを交わしていない相手に毎月養育費を支払ってもらう
ことは容易でありません。
離婚の取り決めは書面に残すことを徹底してもらえたら安心です。
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