2022年04月25日
夫婦ともに離婚には合意したものの、離婚届を出すのはまだ先にすると
決めているようなケースがあります。
このケースの背景には、夫婦間のさまざまな事情があります。
たとえば
〇子どもが高校を卒業したら離婚届を出すと決めている
〇夫が定年退職したら離婚届を出すことにしている
〇お金がある程度貯まってから家を出ていくことにしている
などといった事情です。
離婚を決めてから、実際に届を出すまで、だいたい数年間を要している
ケースが多いですが、中には10年以上かかったご夫婦もいらっしゃいます。
そして、こういったケースに特徴的にみられるのが
『離婚に合意したときの条件といざ離婚届を出すときの条件が違っている』
という点です。いざ離婚するときになると、以前は両者納得して取り決めた
はずの離婚の条件が下がってしまうということです。
「預貯金は私にくれると話していたのに、折半すると夫が言い出した」
「子どもの教育費は夫が出すはずだったのに、しぶり始めた」
「退職金は折半すると約束したのに、応じてくれなくなった」
といったことが往々にして起こります。
離婚の合意から離婚に至るまで、時間の経過とともに、この傾向が強く
なります。その理由として挙げられるのが、相手側(今回は男性に限定)の
3つの変化です。
①懐事情の変化
転職して給料が下がったり、定年退職して年金暮らしになったりと、経済的
に余裕がなくなる。
②心情の変化
離婚を決めたときは妻に申し訳ない気持ちがあったが、徐々にその気持ちが
薄れてきた。
③生活環境の変化
新たに好きな人が出来たり、転職して新しい仕事に挑戦することになった。
などいった変化が起こると、以前の取り決め通りで離婚するのが難しく
なってきます。
ただ、もうこの段階では、互いに夫婦関係を修復する気はなく、離婚に舵を
切ってしまっていますから、何とか条件面に折り合いをつけていくしか
ありません。
離婚の合意から離婚に至るまで、ある程度期間をあける場合、条件面の
取り決めはなかなか難しいものです。
時間が経てば経つほど、条件が変わりやすいということを念頭に置く必要
があります。
その場合、定期的に相手と離婚について話をしておくことや、離婚届を出す
タイミングが近づいてくる前に、再度協議の場を設けることなどを検討して
みてもらえたらと思います。
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