2021年03月12日
秋田カルチャースクールで相続・遺言の講座を担当させて頂いたときに
相続に関して、特に土地建物といった不動産の相続をどうするのか、
頭を悩まされている方のお話をこれまで沢山聞いてきました。
「ずっと相続手続きをしていないので、どうしたらいいか分からない」
「住むことも売ることも出来ない土地は所有しているだけで負担になる」
「不要な土地を相続したくない」
といったさまざまな問題を皆さん抱えています。
こういった問題に一石を投じることになるかどうかはまだ分かりませんが
不動産の相続に関して、また所有者不明の土地問題解消のため、現行の
法律の改正案が政府により閣議決定されました。
今国会での成立を目指すようです。
改正案は次のとおりです。
①相続不動産の取得を知ってから3年以内に所有権移転登記すること
②引っ越しなどで名義人の住所や氏名が変わったら、2年以内に変更登記
をすること
③正当な理由がないのに登記を怠ると、それぞれ10万円以下と5万円以下
の過料を科す。
上記の改正案に加えて、さらに
『相続した土地の所有権を手放し、国に帰属させられる制度』が導入される
とのことです。
ただしこの制度を利用するには
①更地で担保に入っていないこと
②希望者は10年分の管理費用相当額を納める必要がある
といった条件を満たす必要があります。
また土地を遺産分割しないまま10年放置すると、法定割合に応じて
自動的に分割するといった仕組みも盛り込んでいます。
この改正により、不動産の相続に関して、かなり厳しく制約がかかるよう
になります。
今回の法律・制度の変更により、従来のように相続が発生しても
「時間の制約がないから、とりあえず放置しておこう」ということが
出来なくなります。
そのため、今後相続というものに対して、我々は積極的に取り組んで
いかざるをえなくなりそうです。
ここ数年で相続・遺産分割・遺言にまつわる制度改正が始まっています。
新しい知識を取りこぼすことのないようにしたいものです。
※秋田魁新報社の2021年3月8日記事より抜粋しております。
Category:その他, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ