2019年08月29日
再転相続の相続放棄について、最高裁の初判断が出ました。
今回問題になったのは、次のような相続ケースです。
2012年に伯父が多額の債務を残して亡くなりました。
伯父の相続人はAさんの父親です。
その多額の債務をAさんの父親が相続するかどうかの熟慮期間中に
相続放棄することなくAさんの父親が亡くなってしまいました。
そうなると、父親の相続人であるAさんが伯父の多額の債務を引き継ぐ
ことになります。このようなケースを「再転相続」と呼びます。
Aさんからすれば、関係が疎遠な伯父の債務なんて相続したいわけが
ありません。相続放棄するしか手立てがありませんが、相続放棄が可能な
期間内に間に合うかどうかがポイントです。
では、Aさんはいつまでに相続放棄をすれば返済を免れるのでしょうか。
最高裁はこのケースについて
「子ども自身が債務の相続人になったことを知ってから3か月以内に
相続放棄すればよい」との判断を示しました。
もともと民法でも相続放棄に関して「自分のために相続が始まったことを
知った時から3か月以内に相続放棄できる」と規定されているため、それに
準じた判断となりました。
よって、Aさんは父親が死亡したときではなく、「Aさん自身が伯父の
債務の相続人になる」という「事実」を知ったときから3か月以内に
相続放棄を行えばいいということになります。
Aさんのようなケースは相続放棄に関するトラブルで一番怖い事例です。
「自分の知らないうちに、疎遠な親族の相続人になっていた」というケース
はなかなか自分の力だけでは防ぎようがありません。
ただ、自分に相続がふりかかってきたことを知ったら即座に動けるように
普段から、相続知識はこまめに更新しておいた方が良いですね。
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