2018年09月12日
離婚後の面会交流とは、離れて暮らす親と子どもが会うことです。
この面会交流をめぐって、近年紛争となるケースが増加しています。
秋田県内では、面会交流をめぐる調停は2007年には38件だったもの
が、2015年には84件までに増加しています。
全国でも同様に10年前の件数と比較すると調停件数は倍増しているようです。
ではなぜ面会交流に関する紛争が増えているのでしょうか?
その原因は大きく2つ挙げられます。
①育児に関する父親の台頭
近年の少子化の影響に加えて、父親が育児に積極的に参加する、いわゆる
イクメンの数が増えてきました。
かつて育児は母親のものというイメージが強かったものが、母親に負けない
くらいきちんと育児をこなす父親が増えてきたことにより、離婚後も父親が
自ら親権をとって子どもを育てたいと主張することが珍しくなくなりました。
また現在では多くの家庭が共働きであることから、母親であっても、育児に
十分な時間を割くことができなかったり、父親に比べて経済力が乏しかったり
することで、やむを得ず親権を手放すようなケースもあります。
②制度の不備
離婚した夫婦が「夫と子どもの面会交流は月1回」と取り決めたとしても
夫婦間のトラブルや感情のもつれなどにより、約束通り面会交流が行われない
ケースは後を絶ちません。
さらにそういった約束の不履行に対しての制度もあまり整っていません。
「面会交流を義務とする」という法制度はまだ整っていないため、現状では
取り決めがきちんと実行できるかどうかは、子どもを引き取った親の意思に
左右されてしまうこともよくあります。
とはいえ、面会交流が義務化されてしまうと、たとえば夫のDVで離婚を
した妻の場合、暴力的な夫と子どもを会わせることを拒否できないとなると
離婚したにもかかわらず、面会交流のたびに妻が精神的なダメージを受けて
しまうことは容易に想像つきます。
夫婦の離婚事情も分からず、一律に面会交流を義務化してしまうもの
なかなか難しいものがありますし、下手をすると重大なトラブルに発展
しかねません。
ただいかなる場合も、子どもの気持ちや福祉を第一に考えた上で
面会交流の制度が今後整っていくことを期待したいです。
※秋田魁新報より抜粋
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ