2022年07月26日
離婚する際に子どもの養育費の取り決めをし、公正証書を作成した場合に
おいて、養育費の支払いが滞ると、受け取る側は“強制執行”することが
できます。
強制執行とは、養育費を支払う側の給料等を差し押さえて、養育費に充当
することです。
この強制執行の手続きは自動的に行われるものではなく、お金を受け取る
側が手続きを行う必要があります。
強制執行を行うには、まずは公証役場へ公正証書を持参し、「執行文の
付与の申立て」という手続きを行います。
この「執行文付与の申立て」が令和4年1月から郵送でできるように
なりました。
日本公証人連合会のホームページから申立書をダウンロードし、必要書類を
添付して行います。
郵送での手続きが可能になったことで、たとえば公正証書の作成時には
秋田市に住んでいたけれど、離婚して盛岡市に引っ越した場合でも、
これまでは秋田市の公証役場まで出向かなければならなかったものが
この手間を省くことが出来るようになりました。
非常に便利になりました。
※詳細は日本公証人連合会のホームページに記載されています。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ
2022年07月21日
法制審議会の家族法制部会は19日、これまでの親権制度を見直す案の
たたき台を示しました。
これまで離婚後の親権は、父母のどちらか一方が持つ「単独親権」制を
採用しており、そのため、子どもの財産管理などが円滑にできる一方で
親権をとれなかった方が子どもを連れ去るという問題もありました。
今回のたたき台では
①共同親権と単独親権を選択できる
②現行の単独親権のみとする
という案が提示されています。
共同親権のデメリットとしては、妻や子どもが夫からDVや虐待を受けて
いた場合、子どもの安全を確保することが難しくなるといった反対意見が
根強くあります。
ただ海外では、共同親権を採用している国が多く、単独親権では親権を持た
ない側が子どもとの面会交流をスムーズにできないという声も上がっていま
す。
※7月21日付秋田魁新報の記事を一部抜粋しております。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ
2022年07月14日
子どもがいる場合、離婚をしても、元夫と連絡を取るケースは沢山あります。
子どもがまだ幼い場合においては、その面会日について元夫と連絡をとる
必要がありますし、受験や就職、入学式や卒業式といったイベントの際にも
連絡を取り合う機会がたびたび訪れます。
離婚後に連絡を取り合っている元ご夫婦のなかに、少数ですが、
“離婚した事実をきちんとのみ込めていない”と見受けられるタイプの男性
がいます。このようなタイプの男性は
・離婚しても以前のように家族ぐるみで交際しようとする
・元妻に頻繁に連絡をしてくる
・「将来俺に何かあったら頼むよ」と言ってくる
・元妻に交際相手がいないかどうかを非常に気にする
といった言動が目立ちます。
このタイプの男性は、離婚しても元妻や子どもに固執することが多く
それが原因でトラブルが起こることもありますので、かなりの注意
が必要になります。
離婚後1~2年は特に感情を引きずっていることが多く、養育費を払って
いるんだから、と金銭を盾に理不尽な要求をしてくることもあったり、
元妻の家に押しかけてくるようなケースも存在します。
また元妻に交際相手がいることを知ったときや元妻が再婚したことを知った
場合に、逆上してくることもあります。
さきほど記載した4つの言動が当てはまるようであれば、元夫への対応
は慎重に行ってください。
元夫から連絡が頻繁にきても、養育費や子どもとの面会日といった必要な
連絡以外は返さないようにすることも大切です。
不躾に突っぱねる必要はありませんが、明確に一線を引いておくことは
相手を誤解させないためにも大切なことです。
小さい子どもがいる場合の離婚は、“養育費と面会”という接点があるため
別れた夫とどのように距離を取って付き合うのか、とても難しい問題だと
思います。
よほどの円満離婚でないかぎりは、基本的には必要最低限のやり取りが
一般的ですし、元夫婦で頻繁に連絡を取り合うことは、どちらかに余計な
誤解を招くきっかけを与えてしまうかもしれません。
離婚後に分かれた相手に執着してしまうことは決して良いこととは言えませ
んから、その場合はしっかり対処していくことが求められます。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ
2022年06月27日
離婚相談や離婚原因のお悩みで1番多く挙げられるのは、夫の浮気です。
現在浮気しているケース、過去に浮気していたケース、いずれも妻に
とってはショックが大きく、ひどく傷つけられます。
心の傷は浮気発覚直後だけでなく、将来にわたってずっと残り続けます。
個人差はかなりありますが、完全に消えることはありません。
夫としては
「謝ったんだから、いつまでも根に持たなくていいだろ」
「昔のことだから、いい加減水に流してほしい」
と思うかもしれませんが、その謝罪の仕方ひとつとっても、妻にとっては
許せるか許せないかを判断する大事なポイントです。
妻への謝罪は、何よりも“心からの謝罪であるかどうか”が大切です。
一時的な、その場しのぎの謝罪はすぐにそれと分かります。
きちんと謝罪したうえで、言葉だけでなく、日頃の態度も改めないと
10年後20年後に妻から離婚を宣告されてしまうかもしれません。
多くの男性が、浮気発覚後に謝罪すればそれですべて水に流されると
思ってる節がありますが、大きな間違いです。
浮気発覚後の対処方法というのは夫婦それぞれです。
しかしいずれの場合も夫婦関係の修復を望むならば、心からの謝罪に
加え、それまでの言動を省みることが必要です。
そしてそれは早い段階で行うべきです。
謝罪すらしない夫に比べて、きちんとした謝罪が早い段階である場合は
妻は前を向きやすくなります。それは当然ながら今後の夫婦関係の修復に
もつながってきます。
「夫が浮気した=離婚」とは容易にいきません。精神的・心理的な問題や
経済的な不安がある場合は、妻が離婚を望んだとしても簡単には踏み切れ
ません。
離婚を選択しない場合は、夫婦関係の修復改善をしていかなければいけま
せん。夫との関係を割り切って、気持ちを切り替えることができる女性も
いますが、もし夫婦関係に修復の余地があるのなら、時間がかかってでも
するべきだと思います。
修復のやり方は、それぞれ夫婦の形がありますから、これといった正解は
ないと思います。
ただ、「相手の話をよく聞く」「思いやりを持って接する」「食事を作る」
「優しく声かけする」といった基本的なことでも、積み重ねれば変わって
くるかもしれません。
“自分がされて嬉しいことは何か”を基準に行動してみると変化が目に見えて
くるかもしれません。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ
2022年06月20日
結婚して夫の実家で暮らすことになった場合、一番問題となるのは
義理の親との“価値観の相違”です。
義理の親とは年齢も離れているため、ジェネレーションギャップという側面
も大きく影響します。
生活の些細なことに始まり、子どもの教育方針に至るまで、その考え方は
家族といえども一様ではありません。
特に衝突しやすい問題が「子育て」に関してです。
義理の親が息子夫婦の子育てに干渉してくるようになると、苦痛に感じて
しまう方がほとんどだと思います。
義理の親からすると「子育てがゆるくて見ていられない」「もっとしっか
りしつけてほしい」と欠点ばかりに目がいってしまいがちです。
子どものため孫のためによかれと思っての口出しなのですが、それをあり
がたいと受け取る女性はほとんどいないのが現実です。
たまに注意される程度であれば、聞き入れることも受け流すこともできま
すが、それが日常的になると、息子夫婦(特に妻)は疲弊してしまいます。
義理の親にしっかり言い返せるようであればまだしも、多くの女性は言わ
れたことをそのままのみ込んでしまいがちですから、相当なストレスを溜
め込んでしまいます。
極力ストレスを減らして同居を続けていくためには、義理の親と息子夫婦
の双方に相当な努力と工夫が必要になります。
ただ義理の親が高齢の場合、いまからこうしろああしろと言っても、生活
様式をすぐに変えることは不可能ですから、息子夫婦の方が譲歩しなけれ
ばならない場面の方が多々あることでしょう。
その方法の一つとして「外出する」ことです。
いまは共働きが増え、妻も日中は働いていることが多く、義理の親と顔を
会わせる時間が少ないとその分衝突も避けられます。
お休みの日も息苦しさを感じるようであれば、外出して気を紛らわすこと
が必要になります。
二つ目は「生活リズムを変える」ことです。
食事やお風呂の時間をずらして、義理の親と重ならないようにすることで
少しはストレス緩和につながります。
そして三つ目は義理の親に「期待しないこと」です。
義理の親との同居の場合、こちらに気を遣ってくれることはあっても、
息子夫婦が望むように動いてくれることはほとんどありません。
「お義父さんがもっと変わってくれたら」「お義母さんがもう少し優し
くしてくれたら」という希望はなかなか叶いません。
最初からそういうもんだと努めて思うようにした方が気が楽です。
衝突を避けて、お互いに少しでも暮らしやすい生活を創り上げて
いくことが、同居を継続するうえでの心構えとなります。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ
2022年05月27日
夫への不平不満が溜まると大きなストレスとなり、家庭内の雰囲気も悪く
なってしまうことがあります。
そのようなとき、一体誰に相談するのが適切なのか、迷ってしまいます。
家庭内の不和を愚痴るくらいであれば、友人が一番です。溜まっているもの
を吐き出して、少しでも気持ちが楽になるなら、問題ありません。
「夫と最近うまくいっていない」「夫婦関係がギクシャクする」といった
初期段階であれば、周囲にいる気の置けない友人や離婚経験者などに話を
してみると落ち着いてきます。
これが少し進んで離婚の可能性が出てきてしまった場合は話が違ってきます。
離婚という選択肢を本気で考え始めた場合、友人には相談しづらくなって
きます。
友人に相談した場合、相手にその気がなくとも思わぬところから話が漏れて
しまうこともありますから、慎重にならざるをえません。
本当に信頼のできる友人ならば話は別ですが、離婚を思い悩んでいること
を相談するのはなかなか勇気がいるものです。
友人以外で相談相手として考えられるのが、自分の親です。
ただし、親に相談することには2つの懸念があります。
まず一つは、余計な心配をかけてしまうこと。
そしてもう一つは、相談することで親の方が前のめりに「離婚しろ」と
言ってくることです。
問題なのは後者の方で、親はいかなる状況のときでも子どもの味方ですから
娘が離婚相談をすると、「夫=悪者」という図式になってしまうことが多々
あります。
まだ自分自身、離婚を決断していないにもかかわらず、親が先走って「そんな
奴とは離婚した方がいい」と言い出すと、本来離婚案件ではない修復可能な
夫婦関係も離婚に向かってしまう恐れがあります。
離婚を決意する前に親に相談するときは、言葉を選びながら慎重に話をする
必要があります。
そして夫の親に相談するというパターンもあります。
これはかなりの確率で失敗に終わります。中でも多いのが、義母に離婚相談
をすると「あなたが悪いから、夫婦関係がうまくいっていないんじゃない?」
と責められてしまうことです。
どの親も自分の子どもが一番ですから、こちらが期待しているような言葉を
かけてくれるケースはレアです。
また別のパターンとして起こり得るのが、義母が息子(夫)に連絡をして
しまうことです。「離婚のこと相談されたけど、あななたち夫婦どうなって
いるの?」と直接息子を問い詰めてしまう。
夫は突然の母からの連絡に戸惑い、夫婦関係のことを自分に内緒で母親に
相談した妻に怒りの矛先を向けてしまいがちです。
こうなると夫婦関係がさらにこじれてしまいます。
相手の親に相談するというのは、余程のことでないとうまくいきません。
相談したい場合は、そのことを念頭に置いて話をするよう気をつけて下さい。
夫婦関係の話は誰にどう話すのか、なかなか難しい問題です。
ただ長期間一人で抱え込むことだけは絶対にやめてください。
離婚について考えることは大きなストレスですから、一人で抱え込んで
しまうと体調不良や精神疲労を引き起こします。
上記のように、初期段階であれば友人知人に話をしてみる、親に相談する
ときは言葉を選びながら慎重に話してみる、の他に、専門家に相談して
みるという方法もあります。
専門家をつかうメリットは、守秘義務が課せられているため情報漏洩の
心配がないことに加え、第三者の視点で助言をしてくれることが挙げられ
ます。友人と違い、変な遠慮がないため、はっきりと受け答えしてくれる
点もプラスです。
相談してみると自分では見えていなかった部分に気付くこともありますから
お勧めです。
離婚相談をすること=離婚につながるわけではありません。
専門家は離婚を勧めるわけではなく、話を聞いたり、対処法を一緒に考えて
くれる相手です。
話しているうちに「私はまだ離婚するべきでない」と思えることも沢山
あります。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ
2022年05月10日
夫婦喧嘩は犬も食わないとは言いますが、日常の些細な喧嘩において
すぐに「離婚だ」と言い出す人は沢山います。
この場合、たいがいが男性です。
喧嘩がヒートアップすると、売り言葉に買い言葉で、相手を傷つけて
しまうことが多々あります。
夫婦はお互いの性格を熟知しているため、喧嘩になると相手が一番嫌がる
言葉をつい口にしてしまうことがあります。
夫婦喧嘩における暴言の多くは、中身を伴っていません。
「離婚だ」「出ていけ」「お前の顔なんて見たくない」と言っていても、
本気でそう思っていないことの方が圧倒的です。
本気でそう思っているようであれば、相手は別居に踏み切ったり、部屋に
閉じこもるようになったりと、行動に如実に表れます。
ですから、喧嘩でカッとして頭に血が上っている状態での夫の発言は、極力
真に受けないようにすることが大切です。時間が解決してくれることが
ほとんどです。
それでも喧嘩がおさまらないようなときは、相手の言葉を聞き流したり、
しばらく会話を控えたりと、相手の性格にあわせた対処法を模索して
ほしいと思います。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ
2022年04月25日
夫婦ともに離婚には合意したものの、離婚届を出すのはまだ先にすると
決めているようなケースがあります。
このケースの背景には、夫婦間のさまざまな事情があります。
たとえば
〇子どもが高校を卒業したら離婚届を出すと決めている
〇夫が定年退職したら離婚届を出すことにしている
〇お金がある程度貯まってから家を出ていくことにしている
などといった事情です。
離婚を決めてから、実際に届を出すまで、だいたい数年間を要している
ケースが多いですが、中には10年以上かかったご夫婦もいらっしゃいます。
そして、こういったケースに特徴的にみられるのが
『離婚に合意したときの条件といざ離婚届を出すときの条件が違っている』
という点です。いざ離婚するときになると、以前は両者納得して取り決めた
はずの離婚の条件が下がってしまうということです。
「預貯金は私にくれると話していたのに、折半すると夫が言い出した」
「子どもの教育費は夫が出すはずだったのに、しぶり始めた」
「退職金は折半すると約束したのに、応じてくれなくなった」
といったことが往々にして起こります。
離婚の合意から離婚に至るまで、時間の経過とともに、この傾向が強く
なります。その理由として挙げられるのが、相手側(今回は男性に限定)の
3つの変化です。
①懐事情の変化
転職して給料が下がったり、定年退職して年金暮らしになったりと、経済的
に余裕がなくなる。
②心情の変化
離婚を決めたときは妻に申し訳ない気持ちがあったが、徐々にその気持ちが
薄れてきた。
③生活環境の変化
新たに好きな人が出来たり、転職して新しい仕事に挑戦することになった。
などいった変化が起こると、以前の取り決め通りで離婚するのが難しく
なってきます。
ただ、もうこの段階では、互いに夫婦関係を修復する気はなく、離婚に舵を
切ってしまっていますから、何とか条件面に折り合いをつけていくしか
ありません。
離婚の合意から離婚に至るまで、ある程度期間をあける場合、条件面の
取り決めはなかなか難しいものです。
時間が経てば経つほど、条件が変わりやすいということを念頭に置く必要
があります。
その場合、定期的に相手と離婚について話をしておくことや、離婚届を出す
タイミングが近づいてくる前に、再度協議の場を設けることなどを検討して
みてもらえたらと思います。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ
2022年04月20日
4月に入り、子どもたちの学校では新学期が始まっています。
学校の新学期は何かと物入りです。入学金に授業料、学用品代等これらを
一般的には『教育費』『進学費用』という言い方をしますが、今回はこの
教育費についてお話していきます。
離婚の際、子どもの養育費は毎月支払うものとして取り決めを行います。
養育費には子どもの生活(衣食住)にかかるお金すべて含まれます。
とはいっても、子どもが高校や大学等に進学するときに発生するお金まで
すべて含めて養育費を算定している方は少数だと思われます。
毎月の養育費とは異なり、教育費は金額が大きいため、離婚の際にその
負担割合や支払時期についてしっかり話し合っておかないと、あとで非常
に困ることになります。
教育費を事前に取り決めずに、いざ子どもの進学のときに
「娘の大学受験で100万円かかるから、お互いに折半しましょう」と
元夫に請求したとしても、手元にまとまったお金がないと支払えないのが
現実です。
元夫が支払えない場合、妻が全額負担することになってしまったり
親に借りることになったり、最悪の場合は、子どもに進路変更を求める
ケースもあります。
実際に元夫からの支払いがないため、急遽予定になかった奨学金を申請
するようなケースもあります。
そのような事態を避けるためにも、高校受験と大学受験、この2つの
タイミングを逆算したうえで、取り決めをしておくことが大切です。
離婚の場合、ほとんどの家庭において母親が親権者となります。
元夫は子どもと暮らしていない分、教育費に関して理解不十分である場合
がほとんどです。
公立・私立・文系・理系でどれほど学費が異なるのか、元夫が理解して
いない場合、費用を具体的に示して説明する必要があります。
事前に何の説明もなく「息子が理系の大学に進学するから、授業料はあなた
が払ってください」と伝えてしまうと「そんなに払えない」と反発されて
しまいます。
請求される側も、お金を準備する時間が必要ですから、早めに伝えておく
ことが紛争回避の鍵です。
離婚協議の際には、毎月の養育費だけでなく、子どもの進学費用についても
よく話し合っておくことを覚えておいてください。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ
2022年04月14日
離婚における取り決めは夫婦によってさまざまですが、なかでもとりわけ
重要なのが“養育費”についてです。
養育費は、取り決め事項の中でも、特にその内容を詳細にしておく必要が
あり、人によっては、支払期間が長期に及ぶことから、その決定には非常
に神経を使います。支払金額・支払期間・子どもの進路によって増額や減額
をどうするかなど、きちんと取り決めておかないと、のちの争いの種になっ
てしまう要素だらけです。
できるかぎり具体的に細かく取り決めておくことが、将来のもめごとを防
ぐのに役立ちます。
この養育費取り決めの成否を握っているのが、夫の養育費に対する考え方
です。
かつては「養育費なんて払わない」と啖呵を切る男性が大勢いました。
そのように振舞うことで妻を困らせたり、離婚を回避したいという狙いが
ありました。
現在では、養育費算定表を誰でもすぐに確認できたり、養育費請求調停
という選択肢もあり、養育費の認知度は昔とは比にならないほど高くなり
ました。
「養育費は払わないといけないもの」というような考え方の男性が少し
ずつですが増えてきているのを感じます。
養育費に対する考え方は人(男性)よって本当に異なります。
養育費をしっかり払って父親の役目を果たそうと考えている人もいます。
そこまで前向きではなくとも、一般的な金額ならば養育費の支払いは続けて
いこうと考える人もいます。
このようなタイプの男性は、養育費に対する意識が高く、話し合いがまとま
りやすい傾向にあります。また一度取り決めたら支払いが滞る心配もほとん
どありません。
その一方で、養育費は少しでも金額を抑えたいと考える人や、養育費は
出来る限り支払いたくないと考える人もいます。
離婚する夫がこのタイプであれば、養育費の話し合いが難航することが予想
されます。そもそも養育費の取り決め自体が出来なくなるような事態に陥る
ことも想定しなくてはなりません。
養育費の取り決めは、支払期間や金額、支払方法など、細かく決定していく
必要がありますから、骨の折れる作業です。
人によっては、途中で何度も交渉がストップしてしまうことも多々あります。
しかし、離婚後の生活のためにも、何よりお子さんの将来のためにも、どれ
だけ交渉が難航しても、養育費の取り決めはしっかり行ってください。
時には、養育費に関する資料や書籍なども活用して、相手にその重要性を
理解させる努力も必要になります。
私がこれまで見てきたケースのなかには、「養育費は払わない」と言って
いた夫が、最終的には算定表通りの額を約束してくれたり、妻の粘り強い
交渉により当初より養育費の額が上がったという人も沢山いらっしゃいます。
養育費の話し合いは粘り強く、またときに専門家の意見も参考にしながら、
書面に残すところでまでたどり着いてほしいと思います。
Category:離婚相談, 秋田っていっすな~ 日々奮闘する女性行政書士のブログ