2023年06月02日
自分から離婚を言い出したにもかかわらず、いざとなると離婚に応じない
という夫がいます。
こういう男性の心理としては、
①最初から離婚する気はない
②離婚する意思はあるが、乗り気ではない
③妻への嫌がらせ(妻の思うようにしたくない)
といったパターンに分かれます。
夫婦関係がうまくいっていない期間が長期に及んでくると、お互いに
離婚を考え始めたりもします。離婚を検討する速度は人それぞれですし
検討することと、決断することは天と地ほどの差があります。
長い間、夫婦関係が円満ではなかった場合、ちょっとした夫婦喧嘩を
きっかけに、妻が離婚を真剣に考え始めることは珍しいことではありま
せん。
もちろん同時に夫の方も、夫婦喧嘩の延長で「離婚だ」と言い出すことが
ありますが、喧嘩の勢いで離婚を言い出した場合のほとんどが離婚を本気
で望んではいません。
喧嘩の真っ最中のときは、「本気で離婚してやる」と思ってはいますが
大概、ほとぼりが冷めると、離婚の意思も消滅します。
ここで問題になってくるのが、妻が離婚を決断したときです。
妻が、長年夫とは不仲だし、夫婦喧嘩もたびたび、子どもも大きくなったし
夫の言動には疲れてしまったので、離婚に向けて進んでいきたいと決断した
ときです。
人によっては、過去の夫の浮気や暴力が最後の後押しになることもあります。
普段からよく「離婚だ」と言い出す夫のことだから、離婚にすんなり応じる
だろうと軽く考えていたが、いざ離婚を進めようとすると夫の協力が得られず
一向に進まない・・・
何とか説得して離婚協議に入っても、今度はお金(養育費や財産分与)の
ことで難癖をつけられて話が進まない・・・
夫は一体何を考えているのか?
妻としては、もともと夫婦関係が円満ではないゆえ、離婚した方が互いに
とってプラスなのではないかと思っても、夫は全くそう思っていないこと
があります。
そもそも夫婦関係が不仲だとは感じてなかったり、夫婦喧嘩も意に介して
いなかったり、実は家族という形に執着していたりと、妻とは全く異なる
考えをしていることがあります。
そのため妻から離婚を切り出されても、のらりくらりかわして離婚まで
はもっていかれないように防御します。
妻の苦しい気持ち(夫に浮気された、夫婦喧嘩でひどいことを言われた、
何度もぞんざいに扱われたなど)は見て見ぬふりをしていることもあります。
このような夫だと、妻が自分のタイミングで離婚できない(そもそも離婚
できない可能性もある)ため、人生を大きく振り回されてしまいます。
どのようにしたらいいのか?
次回に続きます。
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2023年05月26日
少し前のニュースになりますが、こども政策担当相が4月25日の会見で
「離婚による子どもの養育費に関して、受け取っている母子世帯の割合を
2031年までに40%とする」という政府目標を発表しました。
また「養育費の取り決めをして離婚した母子世帯に限っては、2031年
の養育費受領の目標を70%」としました。
2021年時点では、離婚して養育費を受け取っている母子世帯は28.1
%と非常に低い数値となっています。
養育費を取り決めて離婚した場合においても、2021年時点において
養育費を受け取っている母子世帯は57.7%となっています。
政府は今後、こども庁が主体となって「離婚前後親支援モデル事業」を
拡充するとのことです。
養育費の相談・手続きの支援を手厚くしたり、養育費に絡む情報を得やす
くするなどといった取り組みを行っていくようです。
※4/26付『秋田魁新報』より抜粋しております。
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2023年05月12日
5月開催の“女性のための離婚セミナー”についてのお知らせです。
本日発行の『marimari』に5月開催の“女性のための離婚セミナー”に
ついて掲載しております。
※マリマリニュースの欄(8ページ参照)に掲載しております。
このセミナーは
〇離婚をする気はないけれど、離婚の知識はつけておきたい
〇離婚を考えているが、何から始めたらいいのか分からない
〇友人や家族が離婚するので、いろいろ話を聞いてみたい
などといった、さまざまな理由でこれまで多くのお客様にご参加頂いて
おります。
ゆっくりとしたペースで進行しますので、離婚の知識がゼロの方でも
安心してご参加頂けます。
また「他の人とは顔を会わせたくない」「一人で受講したい」といった
ご要望にもお応えしております。
お申込みの際にその旨をお伝えください。※追加料金はかかりません。
またセミナー特典としまして、セミナーの参加者には
面談1時間分(通常3,000円)が無料となっております。
この機会にぜひご利用ください。
以下がセミナーの詳細となります。
~女性のための離婚セミナー~
■日時:5/23(火)・25(木)・30(火)・31(水)
各日ともに10時開始、所要時間は1時間~1時間半程度。
※お好きな日をお選びになってご参加ください。
■場所:秋田市広面字土手下94 フランスビル2階
■参加費:1,500円(税込)
■お申込み:☎018-853-8770までお電話ください。
※ホームページのお問い合わせフォームからでもお申込み
頂けます。
※お問い合わせフォームがうまくご利用になれないときは
メール(info@unoki-gyosei.jp)でお問い合わせください。
【ホームページよりお申込み頂く場合、以下の点にご注意ください!】
お問い合わせフォームからお申込み頂いた場合、当事務所より自動返信
メールが届きます。迷惑メールブロックをされている方はご注意ください。
返信メールをお送りできない場合は、お電話を差し上げることがございます
ので、お申込みの際にお電話番号も入力して頂けると助かります。
セミナーではコロナ対策のため、密集しないよう心掛けておりますので
ご安心ください。マスク着用のうえ、ご参加ください。
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2023年04月28日
4月29日~5月7日まで当事務所はお休みとなります。
8日(月)午前9時より通常営業となります。
なお、ホームページからのお問い合わせは随時受け付けております。
8日以降に順次返信致しますので、あらかじめご了承ください。
また5月には“女性のための離婚セミナー”の開催を予定しております。
セミナーの詳細につきましては、5月12日発行の『marimari』に掲載予定
となっております。またブログでもお知らせ致します。
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2023年04月21日
熟年離婚は、婚姻期間が20年以上の夫婦が離婚する場合に使われる言葉
です。今回は妻側から言い出した場合の熟年離婚について考えます。
熟年離婚のきっかけの大半が、子どもの自立と夫の定年退職の2つといわ
れています。裏を返せば、この2つのタイミングが到来するまでずっと我慢
してきた、ということでもあります。
また熟年離婚の大きな特徴として“妻に突然切り出された”という点です。
妻としては、それこそずっとずっと早い段階から離婚したい気持ちはあった
ものの、子どものために離婚に踏み切らなかったり、経済的な問題で踏み切
れなかったりしていたのが、ついにその時期がきて夫に離婚の意思を告げた
だけのこと。
長年妻が離婚の意思を抱えていたこと自体、夫は全く気付いていなかった
ケースはざらにあります。
熟年離婚を選択するメリットは大きく3つ挙げられます。
一番大きいメリットは、夫という存在からの解放です。
熟年離婚を選択する妻の多くは、長年夫から抑圧されてきた方が多く
やりたいことを自由にできない生活を何十年も続けてきました。
それが離婚を機に、今後は自分のためだけに自由に時間を使うことができ
これまで我慢してきたことに挑戦することができる、更には文句を言われ
ることもない生活を手に入れることができます。
2点目のメリットは、夫の親族との付き合いがなくなる、という点。
夫の親族との付き合いに辟易している方が実はかなり多く、なかには
「夫のことはそれほどいやではないけれど、夫の親族との関わり合い
を続けていくことに多大なストレスを感じる」という方もいらっしゃい
ます。
3点目は2点目とも通じるところがありますが、夫・夫の両親の介護をし
なくてもよいという点です。
「将来夫を介護することを考えると、精神的にも生理的にも無理」と、
介護を離婚理由として挙げる方もいらっしゃいます。
長いこと、夫からつらく当たられてきた妻にとっては、定年退職後に夫の
介護をすることに抵抗感や拒絶感を抱くことはもっともだと思います。
では反対に、熟年離婚のデメリットを考えてみると、やはり何と言っても
経済的な問題です。夫と離婚して、一人で暮らしていけるのかという、この
1点だと思います。
逆に考えると、経済面の問題さえクリアすれば、熟年離婚については
デメリットよりメリットの方を魅力的に感じるかもしれません。
よく離婚後は自由な反面、孤独を感じることがデメリットとは聞きますが
熟年離婚の場合は、夫に抑えつけられてきたことへ不満を抱えているケース
が多いため、離婚後に孤独を感じるよりは、自由に安堵している方が圧倒的
なのかなとも考えられます。
近年はカルチャースクールのような習い事が多様化していますし、少し勇気
を出せば、すぐにコミュニティに属することは訳のないことだと思います。
もちろん離婚を検討するには、上述したメリット・デメリットだけが決め手
になるような単純な問題ではありません。
離婚を選択すれば、自由なセカンドライフを謳歌できる可能性が広がります
が、離婚しない選択をした場合は、経済的な面での不安は少なくなります。
どちらの選択をするにしても、「あのときああしておけばよかった」と
思うことのないよう、下準備は徹底しておきたいものです。
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2023年04月14日
離婚後でも離婚を引きずっている男性はいます。
その原因として、
妻に押し切られて離婚したものの、本当は離婚したくなかった
しばらく離婚するつもりはなかったが、妻に言われて渋々応じた
といった背景があります。
こういった場合、人によっては
・離婚しても以前のように家族ぐるみで交際しようとする
・元妻に頻繁に連絡をしてくる
・「将来俺に何かあったら頼むよ」と言ってくる
・元妻に交際相手がいないかどうかを非常に気にする
といった言動が表立ってくることがあります。
いわゆる“元妻に対する固執”からくる言動です。
離婚したら妻とは赤の他人になるということを理解していなかったり、
離婚してやったんだから多少のわがままは聞いてくれて当然だ、と
自分の思い込みだけで行動してしまいます。
離婚後1~2年は特に、元妻に対する感情を引きずっていることが多く
「自分は養育費を払っているんだから」と金銭を盾に理不尽な要求を
してくることもあります。
また別れた妻に交際相手がいることや、再婚したことを知った場合に
逆上してくることもあります。
このような場合は慎重に対応しないと、大きなトラブルに発展しかね
ません。
元妻に固執しているような言動が見受けられる際に、元夫と接触せざる
を得ないときは、次のようなことに気を付けてください。
元夫から連絡が頻繁にきても、養育費や子どもとの面会日といった必要
な連絡以外は返さないようにする。
不躾に突っぱねる必要はありませんが、明確に一線を引いておくことは
相手を誤解させないためにも大切なことです。
“復縁できるかも”
“離婚後も以前と変わらない関係でいられる”
などと、淡い期待を持たせないよう、変な誤解を生まないように対処する
ことが求められます。
元妻に固執している場合、離婚の事実を受け入れるために、ある程度の
時間が必要ですし、時間が経過するなかで、元妻との関係が切れたこと
を少しずつ自覚してきます。
そのような経過を経て、元夫が少しずつ自分の日常に戻ってくれること
を期待するしかありません。
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2023年04月07日
3月の受験シーズンが過ぎ、いよいよ4月、新学期が始まる季節です。
学校の新学期は何かと物入りです。
入学金に授業料、学用品代等、、、一般的に『教育費』という言い方を
しますが、今回はこの教育費についてお話していきます。
離婚の際、子どもの毎月の養育費について細かく取り決めることは
あっても、教育費まで検討していないケースが多々見受けられます。
もちろん人によっては毎月の養育費の中に教育費も含めて金額を設定
するケースもあります。
ただ教育費の問題点の一つとして、離婚する段階では子どもの教育費が
いくらかかるか分からないということです。
子どもが高校卒業後に大学や短大、専門学校へ進学するのか、はたまた
就職するのか、離婚する時点で予想するのは困難です。
そのため離婚時に細かく取り決めておくことは容易ではありません。
そして教育費のもう一つの問題点は、金額が大きいことです。
そのため、離婚時に負担割合についてある程度話し合っておかないと
あとで非常に困った事態に陥ることになります。
事前に取り決めをしないまま、いざ子どもの進学のときに
「娘の大学受験で100万円かかるから、お互いに折半しましょう」と
元夫に請求したとしても、手元にまとまったお金がないと支払えない
というのが現実です。
元夫が支払えない場合、妻が全額負担することになってしまったり
親に借りることになったり、最悪の場合は、子どもに進路変更を求める
ケースもあります。
そのような事態を避けるためにも、高校受験と大学受験、この2つの
タイミングを逆算したうえで、ある程度話し合いをしておくことが
求められます。
離婚後、多くのご家庭において母親が親権者となります。
元夫は子どもと暮らしていない分、教育費に関して理解不十分であること
が多いです。
公立、私立、文系、理系でどれほど学費が異なるのか、よくわかっていない
場合も多いですから、費用を具体的に示して説明する必要があります。
事前に何の説明もなく「息子が理系の大学に進学するから、授業料はあなた
が払ってください」と伝えてしまうと「そんなに払えない」と反発される
ことが容易に想定できます。
請求される側も、お金を準備する時間が必要ですから、早めに伝えておくこと
が紛争回避の鍵です。
手間のかかる作業ですが、あらかじめお互いが教育費について理解している
ことがまず第一歩ですから、子どもの教育費にいくらかかるのかの話し合い
これだけは離婚の際にしっかり行ってください。
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2023年03月31日
離婚の取り決めで最優先したい項目は、子どもの養育費です。
養育費に関しては、離婚後も毎月支払ってもらっている女性は2割程度と
いわれており、いまなお支払いに関して課題が山積しています。
なぜ養育費はきちんと支払われないのか?
そもそも離婚時に養育費について取り決めをしたのか、また取り決めた
場合に書面として残したか、という点も重要です。
養育費を支払う側は
・毎月の振込みが面倒で、つい忘れてしまう
・そもそも取り決めていないから払うつもりはない
・口約束だけの取り決めだから、見逃してもらえるだろう
と甘く考えているケースがあります。
受け取る側も
・しばらく元夫から養育費の振込みが途絶えている。このまま諦める
しかないのかな
・簡単な口約束だけで済ませてしまったから、これ以上はもう請求でき
ないのかしら
と、泣き寝入りしてしまったり、簡単に諦めてしまったりするケースも
見受けられます。
養育費は、支払う側も、受け取る側もそれぞれが正しい知識をもつこと
が最初の第一歩です。
正しい知識とは、たとえば
・養育費は、離れて暮らす子どもの生活や将来のためであること
・養育費を取り決める金額の目安となる養育費算定表があること
・養育費の不払いを防ぐ効果がある公正証書というものがあること
などです。
正しい知識を得たうえで、養育費の不払いという事態が起こらないよう
また不払いが発生した場合にも対処できるよう備えておくことも忘れず
に追加してください。
養育費不払いの対策としては
①取り決めたら書面に残す
→あとで紛争にならないように証拠として残すため
②書面作成はプロ(行政書士・弁護士)に依頼する
→不備のない書面を作るため
③金額は毎月無理なく支払える額にすること
→相手に継続して払ってもらうため
この3つを遵守するだけでも、養育費の不払いを防ぐことが期待できます。
養育費は、取り決める段階においても、取り決めたあとにおいても、
抑えておくべきポイントが沢山あります。
養育費絡みのトラブルの多くは、そのポイントをおさえていないこと
がきっかけとなっているケースが多々見受けられます。
離婚後に養育費を滞ることなく支払ってもらうことは、子どもの養育の
ためにも、養育する側にとっても、本当に大切なことです。
経験のないことを失敗なくやり通すことは難しいですから、専門家の
手を借りて少しでも負担を軽くしてもらえたらと思います。
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2023年03月24日
「これって離婚するべき?」といった悩みを抱えて相談にいらっしゃる
場合、今は離婚まで考える必要はないケースと離婚を検討した方がよい
ケースの2つに分かれます。
まずは「今は離婚まで考える必要はないケース」について考えます。
夫の日頃の言動に対する悩みは、小さなものから大きなものまで、その
種類は千差万別です。
「多くの女性が同じことで悩んでいますよ」と聞いて、自分の悩みは
よくあることだと安堵する。
他人に夫の不満を話しているうちに、自分に離婚意思があまりないことに
気付く。
こんなふうに、夫に不平不満があって離婚が頭をよぎっても、
“離婚するべき”という回答にならないことの方が多いものです。
ただそれでも離婚を何度か考えてしまうほど悩みの種が大きくなっている
ことは事実ですから、「このくらいで離婚を考えてもいいのか」
「離婚したい気持ちが膨らんできたけど、どうしたらいいのか」と
専門家に相談するのは自分を客観視する意味でも大切な作業だと思います。
離婚を考え始めたけど、いざ人に話してみると自分にそこまで離婚意思が
ないことに気が付いた、これだけでも大きな収穫です。
このことで日頃の夫の言動を受け流すことが出来たりします。
もう一つの「離婚を検討したほうがよいケース」について考えます。
離婚を考える指標の一つとして、夫の存在が原因による体調不良です。
例えば、夫といると動悸がする、夫がいると眠れない、夫のことを考えると
食欲不振になる、といったように日常生活に支障が出てきてしまっている
ようだと、別居ないし離婚を考えなければならない段階にきている可能性が
あります。
ただ一時的な体調不良かもしれませんから、別居にしても一定期間、離婚を
考えるにしても時間をかけて体調を見極めながら進めていく必要があります。
夫の存在が過度なストレスになっているなと感じているときは、我慢しすぎ
ていたり、視野が狭くなっていたりしますから、そんなときは専門家に話を
しに行ってください。
精神的に疲弊しすぎてしまうと正常に物事をとらえられなくなってしまい
ますから、一度立ち止まって、自分の状態を客観視する必要があります。
「これって離婚するべき?」という問いは、自問自答しても、正しい答え
を出すのは難しい問題です。悩んだら殻に閉じこもらずに、一歩踏み出して
相談してみてください。
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2023年03月17日
離婚の際、子どもの養育費や慰謝料、財産分与などの取り決めをした場合
取り決めた内容を“公正証書”に残すことはとても意味のあることです。
公正証書は、金銭の取り決めについて強制執行することができるため、
金銭を受け取る側にとっては大きな安心材料となります。
強制執行というのは、約束した金銭(養育費や慰謝料)を相手が支払わ
ない場合に、相手の給料を差し押さえて充当することをいいます。
つまり強制的に支払わせることができます。
もちろん約束した金銭を支払っていれば強制執行されることは絶対に
ありませんし、金銭の支払いが数日遅れただけですぐに強制執行される
なんてこともありません。
あくまで相手が支払いをストップし、金銭を受け取る側が催促しても
応じないような場合に強制執行する権利がある、ということになります。
この公正証書については、夫が作成を嫌がることがしばしば起こります。
その理由としては
①妻との取り決めの証拠を残したくない
②妻との取り決めに縛られたくない
③作成するのが面倒だ
④強制執行が怖い
などがあります。
①に関しては、養育費や財産分与などの取り決めは、証拠を残しておかない
と意味がありません。そしてその証拠とは、書面によって残すことが望まし
いとされています。
②についてですが、このように「縛られたくない。書面にしなくても支払う」
と言っている人ほど要注意です。支払う気があるのならば、どんな書面を作成
しても問題ないはずです。
③について、これも体のいい言い訳です。この場合は、「作成は専門家に
お願いします。あなたは内容をチェックして、最後に公証役場に行ってくれ
たら、それで終わりです」と丁寧に説明してあげるといいと思います。
④について、強制執行を怖いと思う気持ちは理解できます。
ただ上記のように、きちんと金銭を支払っている人は強制執行されません
から、その点をしっかり説明することが求められます。
また例えば、夫が金銭を支払うことが出来なくなる事情(会社を解雇された
など)がある場合は、その事情を斟酌することも伝えてあげるとよいかと
思います。
公正証書は夫婦の合意のもとに作成するものです。
養育費は子どもの将来のため、慰謝料や財産分与は妻の離婚後の生活のため
のものです。夫婦にとってとても大切な取り決めです。
夫しては、書面を作成することで妻への配慮や誠意を示すことになります。
妻としては、書面に残すことで安心して暮らすことができますし、夫への
感謝の気持ちも芽生えます。
お互いが納得して次へ踏み出せるよう、離婚の最終段階として“公正証書”
を使ってもらえたらと思います。
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